ということで、久しぶりのちんちんPCの話なのである。現システムの唯一の不満点はグラフィックカードだったのだ。知識不足から適当にGTX 1660 SUPERかつGigabyteのカードを買ってしまったのだが、どうやら正解はMSIのGamingという最強グレード(Ventusは2番目にいいやつ)のカードを買うのが冷却面でもファンの優秀さ(静粛さ)でもよかったようなのである。動画を再生する時に1660superではちょっとパワー不足を感じていたりもした。なので、買い替えのタイミングを狙っていたのだが、やってきたのはコロ助とそれに伴う半導体不足のフィーバーである。1660superもピーク時にはなんと定価で6万円を超えたようで、狙っていた3060あたりは高いだけでなく物すらないという状態になり、泣きぬれて蟹とたわむる日々を送っていたのだった。
そんな中、我らがAMDがやってくれたのである。2020年10月に発表されたRDNA2のシリーズはAMDのCPUと同じくワッパお化けと言っていいほど省電力かつパワフルで、特にその中でも2021年7月にラインナップに加えられた6600XTは値段とパフォーマンスのバランスが最高で、3060レベルの性能なのに圧倒的な省電力性能とまさに自分の求めていたスペックを満たしているのである。自分はゲームをやらないので(ただし、そろそろたしなんでみようかなと思っている)、6600XTが間違いなくベストチョイスなのである。
なので、「じゃあMSIの6600XTのGamingを買えばよいのでは?」という話なのだが、Radeonシリーズにはかの有名なSapphireというRadeon専門の有名なグラフィックカードメーカーが鎮座されているのである。特に6600XTの場合は、Nitro+とPulseの2グレードにほとんど差はなく、安い方のPulseでもNitro+と全く同じパフォーマンスを出してる(というかベンチの結果なんかはPulseの方が優秀だったりしますよね・・・)ので、これを買ってもいいかな・・・とも思っていたのだが、ここは初志貫徹でMSIのGamingが手頃になるタイミングを見計らって購入に至ったのだった。買ったのは例のヤフーショッピングのあそこで、実質4.8万円くらいで購入できたのだった。
とりあえず、こちらが6600XTと1660Super、3060との比較表である。
スペック比較表
GeForce GTX 1660 SUPER | Radeon RX 6600 XT | GeForce RTX 3060 | |
---|---|---|---|
プロセス | 12nm(TSMC) | 7nm(TSMC) | 8nm(Samsung) |
シェーダーユニット数 | 1408 | 2048 | 3584 |
メモリタイプ | GDDR6 | GDDR6 | GDDR6 |
メモリ容量 | 6GB | 8GB | 12GB |
メモリ転送速度 | 14Gbps | 16Gbps | 15Gbps |
メモリ帯域幅 | 336GB/s | 256GB/s | 360GB/s |
メモリバス幅 | 192ビット | 128ビット | 192ビット |
レイトレ用コア数 | なし | 32基 | 28基 |
PCIレーン数 | x16 | x8 | x16 |
ダイサイズ | 284m㎡ | 237㎟ | 276㎟ |
消費電力(TDP) | 125W | 160W | 170W |
カタログスペックの比較はあまり意味がないことはみなさんご存知であろうが、パッと見ではやはりRadeonの方はメモリ周りのバス幅、帯域幅がやたらしょぼい(6600XTはまだマシな方でこの下の6600や6500はもっとボロボロである)ように見えてしまう。ただし、6600XTの基本コンセプトは「HDの解像度でゲームをする人向けのカード」だと思うのでこれで何の問題もないのである。
ということでさっそく換装してみた。インプレッションはだいたい以下な感じ。
- さすがにMSIのGamingグレードだけあってカードの作りは申し分ない、所有する満足感を与えてくれる出来の良さである
- Radeonの唯一の泣き所はドライバ(Adrenalin)のクソさであると長年認識していたのだが、改善されていて驚いた、なんとDriver Onlyでインストールできるようになっていた!!!のである(こんなの当たり前だけど・・・)、NVIDIAのstudio driverを愛していたのでRadeonに乗り換える際に不安がありまくりだったのだが、このドライバの出来だとそれも心配はいらなさそうである
- 消費電力に関してはNVIDIAと比較するのが失礼なくらいお化けである、自分の環境では待機中は6w(!!!)となにそれ?レベルのすごさである、やはりゲームをあまりしない人は6600XT以外の選択肢はないんじゃないかというくらいの素晴らしさである
- 換装後、ありとあらゆる方法でビデオカードをいじめてみたのだがファンを回すことが一度もできなかった、8Kの動画を再生しまくってもダメだった、このカードは基本ファンを廻すのが不可能なファンレスカードなのかも笑
- 1660superからの体感という意味でも、4K動画なんかを再生する時の無理してる感は一切なくなった、1660superではファンが速攻で回ったりしていたが、4K動画ごときでは6600XTは涼しい顔をしている
- GPUの温度は通常時が48度で、いじめた時が53度(!)である、とにかく何をやっても熱くならないのである、RDNA2恐るべしである
また、お決まりのトラブルもネタに飢えている自分に気をつかってもらったのか発生した。グラボを換装したらタスクマネージャーのPerformanceタブからGPUの項目が消えてしまったのである。これはお約束らしい。
GPUの項目が消えている
これは、いまいちわかっていないのだが、タスクマネージャーがスキャンしている項目をリフレッシュしてあげることで解決するらしい。
具体的には、コマンドプロンプトで、
lodctr /r
と打てばokだ。自分はコマンドプロンプトを管理者権限で起ち上げて上記のコマンドを実行し、実行後はすぐにOSの再起動をかけた*1。
そんなわけで、長きにわたって構築してきたちんちんPCもとりあえずここで一区切りついた感がある。このPCは速度にも何の不満もないし、使用していて満足度も非常に高い。自作PCの醍醐味というのはこういうフレキシブルなパーツ交換を楽しめるところにあると思うのだが、そういう意味では6600XTは締めくくりにふさわしいパーツであった。あとは、SSDをPCIe4.0のものに換装するというのもやってみたいところではあるが、今のところ決定版的なイカした商品が存在しないのが微妙なところである(昔のSanDiskのExtremeProみたいな・・・)。もうちょっと発熱を抑えることのできるナイスなコントローラーが搭載されたやつが出てきたら、換装を考えようと思っているのである。