20XX年、日本の自衛隊は沖縄県〇〇島に上陸したホニャホニャ軍と激しい戦闘になった。長年、ホニャホニャの工作を受けてきた〇〇島は島民のほとんどがホニャホニャからのオフショアでの業務を受託することで生計を立て、日本人平均の給与水準の約2倍の収入を得ていた。これはほぼ沖縄本島の平均給与の約3倍にあたる。また島は、一年中、ホニャホニャからの富裕層が訪れる高級リゾートとしても栄え、富裕層のみにターゲットを絞った戦略が当たり、数年先の予約でさえ困難な程の人気を博していた。島の町長はビジネス上の制約が多すぎることを少なくとも10年以上前から繰り返し政府に訴えており、特にビザ発給の簡略化、税制の優遇をホニャホニャ側に与えることを要求していた。ホニャホニャは公式な見解でそんな島民の意思を尊重するため、また、ビジネスや観光で毎年滞在している10万人のホニャホニャ人の保護のために、今回の侵略に至ったと述べている。
奇妙なのは2022年に起こったロシアのウクライナ侵攻とは国際社会の反応が全く違うことで、ホニャホニャの侵略を避難する国はほとんどなかったということだ。なにより、島の住民の民意はほぼ全てが「可能であればホニャホニャ側に編入されたい」というものだったし、ホニャホニャ側も編入する方法としてホニャホニャ本土と同じ法制度を導入するのではなく、自治州の一つとして独自の自治を認める方針だった。また、ハニャハニャと同じ様なオフショア拠点としての特権を与えることも数年前に確約しており、その経済効果も多くの島民が期待していた。自衛隊の攻撃で2人の民間人が死亡したことが確認され、SNSでその動画が拡散され世界中で大きな非難を浴びている。「自衛」という解釈も国会やメディアでその基準が大きく議論され、「島民の民意を無視した自衛は自衛とは呼ばないのではないか」というメディアの主張は、彼らの目論見通り徐々に国民の世論として浸透していき、自衛隊に対する風当たりは強くなっている。
そんな日本を支持する国はほとんど現れなかった。欧州は沈黙を貫き、アメリカは極めて慎重に戦況を見守るだけだった。あたかも、ホニャホニャと予め話がついていたかのように、アメリカは沖縄本土の基地に攻撃がなければ動く気がそもそもなかったようだ。第二次世界大戦と同様に日本はまたも国際社会から孤立することとなり、自国の領土を失うことになった・・・。
というクソみたいな妄想ポエムはともかく、今回なぜにロシアがウクライナに侵攻したかというのはだいたいこんな感じなのだと思う。アメリカは長い時間をかけてじわじわとウクライナを西側に引き込み、ウクライナのロシア度を削ってきた。それにプーチンの堪忍袋の緒が切れたというのが実際のところだろう。つまり、アメリカ側がロシアに殴りかかってくるように誘導/挑発していたからこうなったのである。そういう意味ではウクライナはアメリカの工作の犠牲になったとも言える。今、行われているのは、早い話がロシアとアメリカの代理戦争であり、ウクライナ自身もNATOもあまり関係がない(だから、某氏のNATOがどうのというのは芯を食ってない妄言に近いわけで)。もっと言うと、アングロサクソン&ユダヤ軍vsスラブ軍の戦争である。ゼレンスキーはアメリカとイギリスの特殊部隊に守られているという。だから死なないのだ。別に彼が強靭だったり運がいいという訳ではない。
ここからロシア側が勝つには第三次世界大戦に勝利する必要が出てきた。でなければ、仮にウクライナの東半分を制圧したとしても(これをノボロシアとして統治したいというのが一つのプランね)西側の経済制裁が激しすぎて国が持たないからだ。現状を変える唯一の方法は力での制圧だけになりつつある。ロシアは国土が異様に広いので核爆弾の打ち合いになったらかなりのアドバンテージがある。さて、今後どうなるか。このまま停戦した場合はロシアにあまりに旨味がなさすぎる結果となってしまう。侵攻したのに降伏するみたいな奇妙な状態になるというか。プライドを保ちつつの落とし所を見つけるのもなかなか難しい状態だ。
各国の動きもメモ代わりにまとめてみよう。
- ウクライナ
- なんと言っても絶望的な状況で強く勇敢に戦うウクライナ人の行動が感動的である。
- 兵器の提供が西側から割と潤沢に行われているのも心強い。誰もが書いているがジャベリンとバイラクタルのドローンが効いている。
- ただし、これ以上の応援は兵器面でも経済制裁面でもなさそうだ。戦況が長引くとどうなるか。
- どうやらマリウポリ周辺でネオナチ上がりのアゾフ連隊というのがいたというのは事実っぽい。なぜにこれをなかったという人と、いやあるという人が分かれているのか。
- ウクライナ国内のナチズムについては、BBCが2012年に放映した「Panorama Euro 2012: Stadiums of Hate」という有名なドキュメンタリーがある。機会があればご一見を。これをないものにするのはちょっと無理がある。
- ロシア
- アメリカ
- ドイツ
- ウクライナ側についたフリ。
- パイプライン止めたフリ。
- 銀行取引止めたフリ。
- 見事に西側についたフリをしてやり過ごしている。ノルドストリーム2はほとぼりが冷めたら必ず再稼働するだろう。
それにしてもドイツがロシアを裏切ったのは世界史のナゾとも言える不思議である。ロンドン大学のLawrence Freedman教授はツイートで、今回の戦争が始まる際にドイツの政治家(どうやら外務大臣ではないらしい)が在ドイツのウクライナ大使に「マジで長めに見積もっても48時間で勝負がついて現政権がなくなるってのに、なんでそいつらを助けるって理屈があるの笑笑」と言ったという件を暴露している。
Note barbed reference to ‘a very influential European country’ telling Ukr Ambassador as war began: "My dear, let's be honest, why we should help you if everything ends in a maximum of 48 hours and a new reality comes."
— Lawrence Freedman (@LawDavF) March 20, 2022
この危機に対する彼女の取り組み方からして、上記の発言は彼女が放ったものとは考えにくいと思います。
— 東野篤子 Atsuko Higashino (@AtsukoHigashino) March 20, 2022
↓のリンクを貼ると犯人捜しのようになってしまい、気が引けますが、ドイツの外務大臣の下のポストの英語名称には、Minister of state と、State Secretaryがあります。https://t.co/oKY1fDLgOC
↑ここで引用されているポーランドのメディアの記事が一番詳細かも
*2022年03月30日追記:
⚡️Ambassador says German minister was against helping Ukraine following invasion.
— The Kyiv Independent (@KyivIndependent) March 29, 2022
Ukraine’s Ambassador to Germany Andriy Melnyk said that German Finance Minister Christian Lindner thought Ukraine would fall within hours and was ready to talk to a Russian-installed puppet regime.
その後、Kyiv Independetのこのポストにて、発言の主がドイツ財務大臣のクリスティアン・リントナーだったことが明らかになっている。
実際はそうはならなかったのだが、ドイツがなぜロシアを裏切ったのかはナゾにもほどがある。ノルドストリーム2が完成したので、ドイツ目線ではウクライナは邪魔でしょうがなかった。今回の戦争はこのドイツの裏切りで潮目が変わったのである。机の下でどういう動きがあったのであろうか。
- フランス
EUのビッグ2のクズぶりはなかなかのものである。ただし、そんなクズ野郎を今回ブレさせずにきちんと従わせているのはアングロサクソン&ユダヤチームである。彼らの指導力は本当に有能で素晴らしい。
- 日本
- なんと言っても二人のアンドリーさんが無双しており、彼らの的をついた論理的な解説は日本人の気持ちをウクライナ側に寄せるのに大きく寄与している。彼らは日本語能力に優れており、日本人の識者と日本語でやり合う能力を有している。彼らが優れているのはその日本語能力だけではなく、頭の悪いオールドメディアを意図的に避けて良質な情報を発信しているところにある(これが日本人のボンクラ専門家との最大の違いね)。こういう状況を見るに、やはり言語というのは大事なのだなあと改めて思わされる。
- 日本のメディアやパヨク政党の動きは予想通りだが、今回の戦争で一番驚かされたのは維新のあからさまなロシア擁護の動きである。参院選を控えてこの動きは通常ありえない。そこまでしてロシア側につく理由が存在するということだ。しかし、維新のこの動きは維新自体にとって痛すぎる。ダメな自民の受け皿は維新であったはずだ(巷で言われているような国民民主では絶対にありえない)。ということは、維新にいれようとしていた保守層は他に入れるところがないのでほとんどが自民に入れるということである。参院選後に岸田が降りて菅再びということになれば、日本にとっては悪くない動きだが。
- 相変わらず在日ロシア人を引っ張り出しては謝罪させるというのを日本人は続けているが、これがどんなに愚かなことかを未だに理解していない。北朝鮮からロケットが飛んだって、在日朝鮮人の方は謝罪しないし、誰も謝罪しろなんて思わないわけで。変な雰囲気に流されてヘイトを弱者に向けるのは本当にジャップの底意地の悪さをよく表している。
- マスコミがあまりに使えないので、みんなネット番組に情報をすがっている状態である。相変わらずテレビ番組はコメンテーターがなぜか無学のお笑い芸人だし、今風を気取っている某局のネットニュース番組も頑張って奇人変人を集めて多様性あります風でやっているが、風なだけでロクなコメントをできる人間がいない中身のない番組を垂れ流している(いつになったらオールドメディアはコメンテーターがそもそもいらないということに気づくんだろうか?)。そんな中、貴重なネット番組でゲストの中継の音声や画像が遅延したりフリーズしたりするのは、日本のインターネットのインフラが極めて脆弱だからだ。これについては過去に問題点を整理した記事を↓として掲載しているのでご一読を。
- 中国
あまりニュースになっていないが、今回のウクライナ戦争で世界がわちゃわちゃしている間に、アゼルバイジャンが2020年のナゴルノ・カラバフでの停戦協定を破って、同地に再侵攻している。
ロシアの覇権が弱まった後に、世界で、特に極東やサハリン、シベリアの地域で中国の存在が大きくなるのは間違いがない。アメリカが何をしたかったのかはよくわからないが(短期的には軍需産業がウハウハしたかっただけでしょうが)、100年後に今回の戦争を振り返った時には「これによって世界における中国のプレゼンスが飛躍的に大きくなった」という事実だけが残るはずである。
そろそろロシアーウクライナ間での停戦協議もはじまるという報道も流れてきている。ロシアの当初のもくろみはほぼ達成不可能なのがはっきりしてきたが、ここまでやってしまうと何の戦果もなしに停戦するというのは体面上難しいであろう。また、ウクライナがNATOに入るのをあきらめたという条件だけでは、停戦の材料としてはしょぼすぎると思われる。落とし所をどうするのか。両国が合意できる妥協点というのが未だに見えないのが心配なところである。ロシアの自壊を待つしかないのであれば、それは数年かかる話で、そこまで待てないというのが世界のコンセンサスだと思われる。一体、今後どうなっていくのだろうか。
*1:これ逃げたってだけでどこに逃げたのかは誰一人一切書いていないのはある一種のすごみを感じますよね