ウクライナ戦争シリーズ02:はい、ロシア侵攻しましたねーという話・・・

さてロシアが割と予定通りオリンピック終了直後にウクライナに攻め込んだのである。


攻め込む兆候については、以下の記事↓



で紹介していたし、今のところは書かれていたことをあたかもなぞっているだけのように進んでいる。


また、現在の状況は、こちらのサイト↓で地図つき



で、追うことができる。


こういうところでささっとITを駆使したサイトが出てくるのがさすがウクライナ・・・。


だがしかし、いつものことではあるが日本のメディア(なぜか最近急にニュース関係のTV番組がYouTubeでどの局も全編見れるようになりましたね・・・、どれも内容はお互い丸ごとコピーし合ったたんじゃないの?ってレベルで一緒だし主義主張も相変わらず薄っぺらくゴミ以下ですが・・・、コメンテーターもわざと奇人変人みたいの選んでるし・・・、あと頭からっぽの芸人と・・・)は、トンチンカンと言うか芯を食えてないのである。特に次から次へと出てくる専門家のポンコツぶりは痛々しいばかりである。余計なゴタクは時間の無駄なので彼らの無能さをさくっと検証してしまおう。




1. プーチンは狂ったのか?


まず、よく言われているのは「今までのプーチンはもっと論理的だった」「プーチンは狂ったのではないか?」「自分には今回の彼の決断が理解できない」というものである。


こういう人がやたらジャップの専門家に多いのであるが、正直ド素人の自分には逆にこいつらの言っていることが意味不明というか支離滅裂である。プーチンは非常に論理的に行動している。


そもそも彼は、

  • バイデン政権が誕生するのをじっと待って(しっかりとアシストして)
  • 習近平にわざわざ直接会いにいってナシをつけて(天然ガスと石油を死ぬほど売りたい人と死ぬほど買いたい人のミーティング)
  • オリンピックが終了するのを待ち(面子が命よりも大事な中国人の顔をしっかりと立てて)
  • 泥炭地が凍っている2月中に


侵攻をはじめているのだ。これを狂っている人間の行動と言ってしまう自称専門家の浅はかさが自分にとっては逆に疑問である。彼は待ちに待ってこの行動を取っているのだ。非常に狡猾、かつ、論理的である。


また、ちょっと立ち止まって考えればわかることだが、ウクライナの現状を放っておくと万が一としても、モスクワに近いところ(例えばハリコフ)にNATOやもっと言えばアメリカの核を配備される可能性があるのは、プーチンにとってはこの状況だけはどうしても許されることのないタブーだったのであろう。この状況を残して死んでいくのは自分の持つ立場や責任を考えると許されることではなかったというか。今回の侵攻はその可能性を今後永久的に0%にすることを試みるための侵攻なのである。これのどこが論理的ではないのだろうか。繰り返すが彼にとっては数年越しで念入りに練った計画をやっと実行に移したまでのことでしかないのだ。




2. プーチンの狙いは不明瞭か?


これもやたらテレビに出てくる無能な専門家が「プーチンの狙いは全く見えない」と繰り返しほざいているポイントなのだが、プーチンの狙いは不明瞭どころか誰がどう見ても明らかで、

  • ドニエプル川の東側を掌握する(これは可能であればという感じ、地図を見れば明らかだがクリミアへのルートとして東側全部を奪るのが理想である)
  • 現ゼレンスキー政権を倒し、傀儡政権を樹立する


ことである。これは侵攻の方法や程度の大きさを見て、より明瞭になってきている(未だに「全土制圧しようとしているかもしれない」と適当極まりない解説をしている自称専門家がいたりして耳を疑うばかりである、そんなことはどう考えても無理である)。傀儡政権を樹立して今後ウクライナを好きなように操りたいから、キエフにまで侵攻しているのだ。


そもそも、プーチンウクライナの国としての態度に激怒したのは2014年の騒乱の時である。この時、ウクライナは何を考えたのか知らないが、EUに将来的に加盟すると宣言し、逆にクリミアを失うことになった。彼はいざとなったら核兵器を使用する可能性があったことを匂わせ、その怒りの大きさをしっかりと世界にアピールした。



つまり、ロシアにとっては親EU政権がのさばっている限り、安心して眠ることができないということなのだろう。であるのなら、極東における北朝鮮のように、ウクライナを東側の緩衝地帯としてセットアップした方がいいに決まっているのだ。現在、行われている侵攻はそれを実現しようとしているだけのことである。狙いは不明瞭どころか、これ以上ないくらい明らかだ。





それにしても、何がひどいと言えば、EUの親ロシア派的な態度である。彼らはそもそもウクライナを西側に引き入れた時にチェルノブイリ原発が一緒についてくることに対してダルいと思っているだろうし、ウクライナという国の価値よりもロシアからパイプラインで送られる天然ガスの方が価値が高いと思っていることを態度で表した。特にドイツにとっては、ノルドストリーム2が完成した今、現在のメインであるウクライナ経由のパイプラインがかえって目障りだと考えているかもしれない(つまり、ノルドストリームだけだとドイツ一国がEU向けのガスの供給元と限定されるのでその地位をおいしいと思っているということ=ウクライナ経由のパイプラインは目障り)。



自分にとって一番理解不能なのは、こういう歴史の大きなポイントで必ず間違った方針(しかもとんでもなく間違っている)を見せるドイツの態度である。ロシア側についてどうするよ?というのは今後ドイツの歴史を振り返えられた時に必ず掘り返されるだろうキズになっていくであろう(ちなみにそのノルドストリームを所有するガスプロムの取締役の一人は元ドイツ首相のシュレーダーで、この人のかぐわしさはなかなかのものである、ぜひwikiを参照されたい)。


また、もしウクライナEUに加盟したとしても待っているのは地獄である。国境をなくしてしまうと、ドイツが東京、ウクライナ鳥取のような関係になってしまい、全ての富をドイツ(もしくはフランス)に吸い取られるような構造ができてしまう。なにかEUに輝かしい未来を見てしまったのかもしれないが、ギリシャをはじめとした国の現状の悲惨さをしっかりと見つめるべきである(ギリシャがいかにEUに狡猾に丸め込められつつ、国として干からびさせられたかという過程については、「黒い匣」という名著があるので、ぜひご一読をおすすめします)。だからこそ、ウクライナはロシアのご機嫌を伺いつつ、EUとロシアの間に立って自分の力でうまくやっていく以外の選択肢はないのである。そこを見誤ると今起こっている悲劇のような、大国の気まぐれなエゴによる力の行使に何度も巻き込まれ続けることになる。



そもそも変な子供を使ってあれだけ世界中に環境ブームを巻き起こしていたEUは最近になって急に「天然ガスもクリーンエナジーだよ!」と発表したりして、自分の都合だけが大切であって中身には何のポリシーがないことを明らかにしたばっかりである。既に何回も書いているが、環境やベジタリアン的な思想(SDGsって言うんですかね?)は、GAFAやTeslaを生み出すことができなかったEUが絞り出してきたシノギでしかないのだ。ITが盛んなウクライナはそんなものに付き合うメリットなんかない。もっと自分たちのアドバンテージに向き合ってその長所を世界にアピールするべきである。


ウクライナと言えば、民主主義国家で、人々は外見も内面も美しく、ボルシチやヴァレーニキ(ウクライナの餃子、もしくは、ウクライナのラビオリ)に代表される豊かな食文化を誇り、小麦で有名な穀倉地帯があり、さらに優秀なITエンジニアが揃っているのだ。こんなに魅力的な国は世界にそう多くないということをウクライナの人たちは自覚してなさすぎる。



だから、一刻も早く、EUの金や力をアテにしないで、自分の足でしっかりと立った方がいい。そんな甘い考えを捨てて、世界一IT化が進んだ民主主義国家として、東欧最高の国(発言の自由とかロシアの負の面を一切排除したスラブの国として)という地位を目指した方がいい。そうすることが恒久的な平和への一番の近道なのだと強く思う。例えば、GAFA系の企業の大きい研究開発機関なんかが集中している場所を作れば、ロシアに攻撃されづらくなるからだ。


少なくとも、ゴミクソな欧米とその支配層(とそんな強い力に余裕でなびくジャップと)はともかく、地球の一般人はほぼ全員がウクライナの味方である。これだけインターネットが世界のギャップを縮めて情報を隠しようがなくなっている現代で、前時代的なプーチンのやり方は通用するのだろうか?通用させていいのだろうか?という点については、誰もが深く考えておく責任があるというのは間違いがないことである(まあ核兵器があるかないかというのが答えなんでしょうが、だとしたら人間ってほんとに野蛮だよねーという結論に至るわけで・・・)。そう考えると、テーマに戻って「彼は狂った」「何が狙いなのか全くわからない」と繰り返しているジャップの自称専門家たちの無能ぶりも専門家として最低限の責任も果たせていない(正直、何の役にも立ってない)という意味で計り知れなかったりするのである。


*2022年02月28日追記:

書くのを忘れていたが、未だに各メディアで使われるウクライナの地図にドニエプル川チェルノブイリ原発が明示されていなかったりするのはウルトラスーパーアンポンタンである。そもそも今回の侵略が何をどう狙っているのかを理解していないという証にしかならない。まあ、ジャップのメディアなんてバカの集合体でしかないが、これはひどすぎるを超えている(そしてそんなやつらに使われている自称専門家も・・・)。ニュースなのだからポイントをかいつまんで端的に説明する必要があるのだが、そんな基本的な能力すら皆無なことを露呈している。

また、なんか勘違いしたやつが売名行為のために寄付を公表したりしているのもうんざりである。ただの銭ゲバなのはバレているのだからこれ以上の恥をさらさないようにするのが身のためだと思うが、まあそれにだまされる知能レベルの庶民が客層ということもあるのだろうか。

同じ民族として恥ずかしいことばかりである。

*2022年03月06日追記:

日本人からのロシア人、特に日本在住ロシア人へのヘイトが横行していて、一人の日本人として恥ずかしいと表明されているロシア人の方たちよりよっぽど恥ずかしいと思いながら生きているところである。どこかの某国と一緒で言論の自由のない国に家族や親戚がいる人が例え国外にいようとどれだけ気を使って発言しなくてはならないのかという想像力が働かないのだろう。こういう時はお互い何も言わず、目で会話してそっとしておくのがベストなのである。特にインターネットで世界中で誰が何をしているのかを権力側が監視しやすくなった昨今ではなおさらである。

今回のムーブメントのトリガーとなってしまったのは某氏のツイートで、その悪質さを誰もとがめることができないだろうし、その機運さえないというのも絶望も一つなのだが(さすがに勉強不足だったとか悪気はなかったという言い訳は大人なので通用しないのである)、それ以上に本質的な話としては、そのムーブメントに我も我もと群がる様を見るに、やはり我が民族の「自分の幸せよりも他人の不幸を心の底から大喜びしてしまう」というDNAの構造とその典型的なアウトプットをこれでもかと見せつけられ、こんなことでしか発揮できない民族の団結力に対して深い絶望を覚えるのである。

「この政治体制について今まで何もしてこなかったロシア人にも責任がある」というのであれば、現状の日本で起こっているロシア人の方たちに向けられる慈悲のないヘイトに対しては日本人が責任を有するということも、悲しいかな多くの人が全く理解できていないのである。

*2022年03月07日追記:

liveuamapを見ると、ロシア本土からクリミアへのルートが繋がってきつつある。これを持って「当初の目的(クリミアに住んでいるロシア系住民の保護)を達成した」としてロシアの最低限の面子を保ちつつ、停戦協議を行うという選択肢も出てきたと思う。キエフ侵攻はジャベリンが効いていてかなり遅れているし、その間にロシアは国際社会から他の反アメリカ国と同レベルで干されはじめている。

ここでいったん手打ちをするか、さらにNATOの協力国を巻き込んで戦闘を拡大していくかは大きな岐路になっていくと思われる。

さすがにロシアの体制が現状そのままで続いていくとは思いづらいのだが、今後どうなっていくのだろうか。おそらく、米英のアングロサクソン同盟はこの次を話し合っているはずである。毎度同じことではあるのだが、今回もこのアングロサクソン(とそれを支えるユダヤ)の強さが際立つという結果になりつつある。彼らは「支配する」という能力に関しては飛び抜けて優秀だ(そして、我々ジャップは「支配される」ということに関して極めて優秀であるということは分別のある大人であるのならば決して言ってはいけないことなのである)。

*2022年03月08日追記:

悲しいかな英国防衛省がツイート中で披露している戦況の地図には上述した全ての要素(ドニエプル川原発の位置)が当たり前のように含まれている。残念ながらこの分野に限って言えば、我がジャップ民族は無能なのだ。だから今からでもいいのでそれを認めて改善する方向で前に進んだほうがいい。その能力がないならとりあえずは丸ごとパクればいい。有事の時はそれだけでいいのだ。

まあ、そんな改善は行われず明日も明後日も真っ白な地図が使われ続けるのだろうが。

*2022年03月09日追記:

マリウポリが落ちそうなので、これでロシアはクリミアへのルートは確保できそうだ。ただ、キエフはここから1週間くらいの激戦でどうなるかがいまいち見えていない。都市を廃墟にしたところでロシアが得るものは少ない。また、経済制裁が厳しすぎるので例えキエフが落ちたとしても、この戦争の戦果を考えると、ロシアの目的はいったい何だったのか?という話になる。得た物より失った物の方が大きいのなら本末転倒である。

となると、落とし所の条件を少しでもロシア側に有利に引き戻すために核兵器の使用も視野に入ってくるか。そしてそれをどこに落とすのか。

「戦争を終わらせるために核兵器を使用した」というレトリックはアメリカが正当化しているし、歴史も認めているのでロシアも同じ理屈をこねることは可能だ。結局、戦争はケンカと一緒で勝ちさえすればなんでもいいという話なのだろうが、さてどうなるか。

*2022年03月12日追記:

プーチンは狂ってなんかいない」とはっきり明言している方は今のところ日本人の専門家/ジャーナリストでは自分が確認出来ているところではお二人だけ。元外務省の河東哲夫さんとジャーナリストの山口敬之さんのみ。山口さんは現在唯一まともなジャーナリストとして理路整然かつ鋭い論説を披露してくれている方だと思うのだが(だからこそあの事件はなんだったのかということになるわけで・・・)、今週ついにYouTubeチャンネルも開設してその内容も非常に興味深い見る価値のあるものとなっている。

「○○は狂っている」というのは正義と悪という構造で戦いを仕掛ける際のアメリカが使う常套戦術といってもよく、湾岸戦争の際はサダム・フセインを同じように「狂人」と呼んでいた。この記憶が今回表に出てきているロシアの専門家にないのだろうか?と不思議でしょうがない。