ということで、Mi 11 Lite 5Gの日本版が発表されたのである。自分にとっては最高にどうでもいいことなのだが、FeliCaが搭載されたのが世の一般人には大きなトピックらしい。また、今回はSIMフリー版のみの発売ということで、そんな機敏な方向転換に日本企業にはありえない有能かつ柔軟なビジネスの姿勢が見えるのである。今回はそこらへんに注目した、というか、中国の企業は有能だなーとしみじみ感じさせられたので書いてみた、という話なのである。
とりあえずは、いつものスペック比較である。我が愛機(まだ、ロクなROMが出ていないので全く使ってないけど笑笑)Redmi Note 10 Proとの比較表はこんな感じである。
スペック比較表
Redmi Note 10 Pro 日本版 | Mi 11 Lite 5G 日本版 | |
---|---|---|
発売日 | 2021年3月 | 2021年7月 |
CPU | Snapdragon 732G | Snapdragon 780G |
メモリ | 6GB | 6GB |
ディスプレイ | 6.67インチ 20:9 有機EL | 6.55インチ 20:9 有機EL |
解像度 | 2400x1080 | 2400x1080 |
ppi | 395 | 402 |
メインカメラ画素数 | 10,800万画素 | 6,400万画素 |
F値 | F1.9 | F1.79 |
バッテリー容量 | 5,020mAh | 4,250mAh |
サイズ | 164 x 76.5 x 8.1 | 160.53 x 75.73 x 6.81 |
重量 | 193g | 159g |
SDカード | 使える(最大512GB) | 使える(セカンドスロットと排他設計、最大容量不明) |
UFS規格 | UFS2.2 | UFS2.2 |
Band19対応 | ○ | ○ |
5G対応 | X | ○ |
ヘッドホン端子 | ○ | X |
Felica対応 | X | ○ |
参考価格 | 34,800円(税込) | 43,800円(税込) |
まあ、Redmi Note 10 Proからデメリットだけを抜き出してとめると、
- デュアルSIMスロットの2コ目がSDカードと排他なので、実質1スロット
- バッテリー容量が少ない
- ヘッドホン端子がない
- なのに値段は高い
と致命的なデメリットばかりである。唯一のメリットは5Gに対応していることだが、「5Gが必要な人なんて今のところ地球上に一人も存在しない」ということを考えると、あえてMi 11 Lite 5Gを選択する意味はなさそうだ。
ただし、以下のインタビューを見ると、Xiaomiがいかに的確なマーケティングをして、Mi 11 Lite 5Gを日本市場に投入していることが鈍感な自分にも痛いほど伝わってきた。また、プライドの高さからなぜかユーザーに背を向けてしまうジャップ企業とは市場に対する姿勢が真逆なので、軽く衝撃を受けたのである。
インタビューから読み取るに、今回のMi 11 Lite 5Gの投入時にXiaomiが改善してきたポイントは以下の通りである。
- 「薄い軽い」を重視して(日本市場においては、実際はそういうマイノリティの声がネット上でやたら大きいだけだが)Mi 11 Lite 5Gは開発されている、そこがXiaomiの他機種との差である
- FeliCa対応をやたら重視する(実際はそういうマイノリティの声がネット上でやたら大きいだけだが)日本市場のユーザーの声に応えて、日本版についてはFelicaを搭載した
- 日本市場でSIMフリー端末の需要が増えていることを感じて、SIMフリー機を投入した
これだけでなく、インタビューの受け答えの聡明さにも感心したのだが(逆にインタビュアーの知能の低さにも驚かされましたが・・・、日本市場のためにPOLEDを選択したの?って、どう考えてもそんなわけねーだろーよ・・・、恥ずかしいよ同じ日本人として・・・)、とにかく、Xiaomiの市場の声を聴くことができる敏感なマーケティング力と、的確にプロダクトに反映できる能力、などはジャップ企業には一切存在しない(マジでゼロなのがつらいところ)わけで、この差は大きいのである。
特に「日本市場でSIMフリー端末の需要が増えていることを感じて、SIMフリー機を投入した」というのは、つまりは、ソフトバンク専売で出したRedmi Note 9Tがアホみたいに失敗したということであり、そこで、「キャリア専売モデルはXiaomiにとってもユーザーにとってもなんのメリットもない」と理解したということだと思う。ここらへんの柔軟さは繰り返すが無能なジャップ企業とは正反対であり、ジャップ企業があらゆる分野で沈没していっているのにはちゃんと訳があるということである。
そんな感じで、日本市場でも本気を出しているというよりは普通にちゃんとしたビジネスができる(逆にジャップ企業は常に気が狂ってるとも言えるよね・・・)Xiaomiのプレゼンスはますます広がっていくことだろうと思われる。そして、ジャップ企業は明日も来年も変わらずバカ丸出しのSIMロックがかかったキャリアモデルを発売し続けているはずである(まあ、ガースーの政策で強制的に外されるらしいけど)。そして、今回のインタビューを受けている方に限らず、中国にはこういった聡明な人材がキラ星のごとくたくさんいるのだろうなーとも毎回思わされて、ちょっとだけ絶望的な気分になるのである。彼らを諸葛亮孔明みたいな存在だと仮定したら、ジャップのサラリーマン軍団はただの無能平民の集まりという感じであり、Xiaomiに限らず、中国企業は相手としてこんなに与しやすい敵はいないと思っているはずである。まあ、もう勝負はついてしまっているような気もするが、その差がますます広がりつつあるというのは、それで本当にいいのか?と思うジャップの一人としては若干複雑な気分である。