ガラパゴスぶりがひどすぎる日本の有線インターネット事情

みなさんは「仕事を終えて帰宅した夕方から寝る頃くらいまでの時間」にインターネットを使っていて「遅いなー」と思ったことはないだろうか?わざわざ、高いお金を払って光回線を家に引き込んでいるのに、そんな一番使いたい時間帯に1M程度の速度しか出ず、YouTubeの動画がなかなか表示されないなんてことを多くの人が経験したことがあるはずだ。


さて、これはどこに問題があるのか?いったいだれが悪いのか?今まであまり語られていないことなのだが、これにはちゃんと理由があったりする。そしてこれがいかにもジャップランドらしいトホホなしょーもない理由なのだが、割を食っているのは何も知らない人民のみなさんである。



いくらなんでもひどすぎるので、ちょっと現状をまとめてみようと思ったのである。ひどさレベルは何もかもが終わっているジャップランドの中でもMaxといってもいいレベルである。国を巻き込んでインターネット業界まるごとで詐欺を行っているといってもいいからである。



順を追って何が問題なのか確認してみよう。




1. まず何がどうなって遅いのか?


これは、有名な話なのでかなりはしょるが、要するにNTTのフレッツ光のNTTの設備部分が激混みになっているのである。「網終端装置 ボトルネック」なんかで検索して頂くと、多くの方が非常にわかりやすく解説してくれているページが出てくるので、そちらを参照して頂きたい。だから、auひかりやNURO光なんかを使っている情強もしくはラッキーなみなさんは今回の記事には全く関係ないといってもいい。ただし、NTTの光回線のシェアは東西合わせて65%強である。人民の大半といってもいい数のユーザーがこのボトルネックが原因となって不要な速度低下を食らっているのである。


こちらの記事なんかが非常にわかりやすいかと。


で、「網終端装置が混雑しているのなら、増設すればいいのでは?」と賢明なみなさんなら考えるであろう。だがしかし、ここはなんといってもジャップランド。それを忘れてはいけないのである。自浄能力の低さは先進国中ダントツトップなのである。一度決めたことを変えることができないのは、みなさんの会社だって同じであろう。日本人のDNAのなせる技なのである。


というわけで、網終端装置の増設基準が未だにNTTでは「トラフィックの量ではなく」、はるか古代に決められた「ユーザーのセッション数(網終端装置あたりのユーザー数と考えてよい)」での判断となっているのだ。だから、網終端装置に入っている誰か一人がアホみたい使っちゃうと、もしくは、そのセッションを使っている一つが何百人も宿泊しているホテルだったりすると、自明ではあるがとてつもない通信量が発生して、簡単にいうと土管がつまった状態になるのである。近年は誰もがサブスクの配信サービスで動画や音楽を流しっぱなしにしていて、さらに、コロ助のせいでリモートワークなんかも流行り出しちゃって、ますます個々の家庭が必要としているトラフィックは激増中である。まずはこれが問題の一つである。誰か偉い人が一言オラついて基準を変えろと言えばいいだけの話なのだが(ガースーは携帯でこれをやってくれたわけで)、それをやる人がいないのでこうなっているという話である。


こういう時に必ず言い訳として出てくるのが「コスト」という話であるが、NTTはほぼ寡占状態という状況で戸建てなら約5,000円、マンションであれば約3,500円くらいの料金を一律で徴収している。しかも電話代やプロバイダー代は完全に別で純粋にファイバー使用料としてこの金額をとっているのである。これは決して安いといえる料金ではない。月5,000円払って一番使いたい時間帯に1M出ない状況というのが果たして国も出資している国策企業とも言える通信会社の提供している品質として許されるレベルであるのだろうか?ベストエフォートという魔法の言葉で逃げられるほど許容できる品質であるのだろうか?ちょっと考えれば、小学生でも○か☓かはわかるはずである(例えば、夜間帯に利用量が多いからといって、電話の声が聞こえづらくなってもベストエフォートだからとごまかせますかね?)。




2. アホアホ行政のアホアホぶり


さらに、この問題の根が深いのは、これがNTTの問題だけではないからである。インターネットを管轄している某省庁の勘違いも絶望を感じさせるひどさがある。


ロジックを簡単に解説するとこうだ。

IPv4が枯渇するらしい

それはまずい、だったら早急にIPv6に移行しなくては!!!


ということで、IPv6を国をあげて普及させることになったのである。しかもこれは絶賛継続中である。


確かに、IPv4のアドレスは割り当て機関では枯渇したことになっているが、実は日本のという国で割り当てられた総数はそんなに少なくないので、割り当てられたIPv4アドレスが枯渇して本当に困っている会社はほとんどないと言ってもいい状態なのだ(まあ、確かに新規割り当ては厳しい状況にはありますが、それでも、IPv4は何があろうと絶対に必要ですのでなんとかするしかないっす)。


そして、ここが一番重要なのだが、IPv6IPv6だけでしか通信できないネットワークが実現しない限り必要不可欠な存在ではない」のである。つまり、どんなにあなたがIPv6に自分のまわりの環境を対応させたところで、通信の世界なので相手がIPv4で通信してくる場合は、どこかでIPv4をあなたもしゃべる必要が出てくるということである。


大事な部分なので再度念を押すためにも強調しておくが、「あなたが他者との通信のためにIPv4を捨てることができない限り、頼まれてもいないのに無理にIPv6を使おうとする必要は全くない=ということはIPv4は少なくともあなたが生きている間はおそらくなくならないだろうから、IPv6はそもそも不要」ということなのである。ここが多くの人が勘違いしている一番のポイントで、後述するが日本のアホインターネット技術者が「YouTubeFacebookIPv6に完全に対応しましたよー」とか会議で発表してたとしても、これは悪質なダマシで、じゃあYouTubeFacebookIPv4での通信を完全に捨てることができるかというと、そんなことは起こり得るはずがない(わざわざ廃止する必要がどこにもない)ということなのである。ということは、つまりIPv6なんて最初からいらなかった(そもそもIPv4がなくなることなど未来永劫ありえないので)」ということである。ここを、未だに多くのジャップのアホ技術者がプロのくせに理解していないのが、ジャップランドの悲しい現実なのである。


ここまで書いてもまだわからない技術者もいると思うのでさらに書くが、とにかくあなたの周りの環境をIPv6対応にするのは、ほぼ無意味なのである。GmailやO365の普及もあって、個人が個人で建てたサーバーかつIPv6でメールを受け取るということもほぼなくなった。ということは、基本IPv4だけで暮らせるのである。何を勘違いしているのか知らないが、あなたはYouTubeFacebookではないのだ。彼らが対応するのは彼らの勝手であるし、それはあなたには何も関係ないということに気づけない自分の頭の悪さを恥じるべきである。


で、某省庁の話に戻るが、こいつらはそんな感じでイタい危機感に取り憑かれているので、IPv6の普及に躍起である。しかも、所詮は天下り&退職金二重取り生活でウハウハという甘い汁のことしか考えていないから、形だけでもIPv6のユーザー数が増えさえすればいいというのが、彼らが熱望していることである。そして、その結果としてどうなっているかというと、例えば、某NTTのホームゲートウェイという輩が勝手にIPv6をしゃべる仕様になっているのだ。日本の場合、毎年何十万人という学生が一人暮らしをはじめて自宅に新規にインターネット回線を引いている。これがそのままイコールIPv6ユーザー数の増加になるというカラクリになっていたりするのだ。こんなイカサマを使ってまで、自分たちが主張しているIPv6普及の大切さと、その普及ぶりをデータとして実証しているのである。ただ、これは姑息なIPv6普及のからくりのほんの一つでしかなく、次の章で述べるが、最近はIPoEというゴミ通信技術で無理矢理ユーザー数を激増させる悪質な詐欺の手口がおおっぴらに使われている。


なんで、日本が戦争に負けたのかが、こんな状況や仕組みやカラクリを見るとよくわかるし(なんかアリバイ作りの仕事ばっかりで中身がないのよね・・・)、そして、その時から何も変われていないことに悲しくなるが、これがジャップランドの通信行政の現実である。




3. ゴミカスしかいない日本のインターネット技術者


このクソみたいな状況にストップをかけるどころか強烈にブーストをかけたのが日本のインターネット技術者である。彼らはとにかく偉そうにして適当に集まって会議して、出張しておいしいものを食べるという目的のためだけにIPv6に入れ込んだのである。「IPv6が普及しなければ日本のインターネットの損失は計り知れない」的なことをのたまって、世の中の危機感をあおりつつ、良心の呵責もなく、そうしたら、毎日が楽しいし、ツイッターでイキれるし、Instagramイカした暮らしを見せびらかすにはこういう人生がぴったりだし、何より現場を離れられるので楽をすることができるのである(まあ、ネットワークエンジニアの現場は過酷で泥臭いですからね・・・、それと比べちゃうと天と地の差がありますわな)。そうして生まれたのがIPoEというガラパゴスの極みのような通信技術である。これは、現在日本でしか使われていない技術で、これからも海外で普及する可能性がゼロの超ガラパゴス技術である。


ちなみに、それを実証するページとして、IPoEを実現するためだけに作られた(!!!)JPNEという団体のページの対応機種を見て頂きたい。



見事なまでにジャップ製の機器しか対応していないのである。そしてそれはつまりどういうことかというと、通信が不安定(ジャップ製の通信機器はルーターとしての基本機能が弱いっす、一月に一回再起動しないと遅くなったりなんていうのが未だにあって・・・、自分は海外製を使いたいけどいい感じのルーターがないっす・・・)&Wifiがクソ(ジャップメーカーで無線のできがいいところなんてないです)という、これまたエンドユーザーである人民が割を食うことになっていたりするのである。


ちなみに、話がそれてしまうが、このIPoEを実現するためだけに作られた団体(!!!)というのは、三大キャリアにべったりくっつく形できっちり三団体あったりして、もうあきれて話す気にもならないけど、まあウルトラ利権団体なわけで、それのしわ寄せはエンドユーザーである人民たちに年貢の徴収という形で降ってくるわけで・・・。悲しくなるね・・・。


よくわからないが、本当に技術をウリにしているプロがいたとしたら、こんなガラパゴスな仕組みを作って喜んでいるわけがないのである。こんなものには、未来もないし、技術の蓄積も将来の何の役にも立ちはしない。自分がききたいのは、こういう日本のインターネット技術者の人たちだって、人の親であるだろうから、その子供たちにこの状況を残すの?それでいいの?ということである。それでもあんたら技術者なの???と。恥ずかしくないの???と。ただ、この人たちも某省庁の人たちと同じで、プライドが高いだけで無能なので、「すんません、間違ってました」となんて言うことはないのである。単に、過去にさんざんIPv6で公にイキり倒してしまったため、もう引き返すことができなくなっているだけなのだ。そして、そんなクソイカれジャンク野郎たちのために、割を食うのは人民のみなさんである。


*ちなみに、そんなやつらが植え付けたIPv6は速い」というイメージは純度100%のウソである。IPoEを無理矢理普及させるための悪質なダマシである。注意されたし。





というわけで、ここまでのまとめとして現状を図にするとこんな感じ・・・・。


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悲しいけどこれが我が国の現実・・・。


でも、ここをなんとかしないとこの国の景気とかQoLが上向かないのはみんな自覚してほしい・・・。通信の自由を行政によって阻害されていることがどれだけ経済活動にデメリットになるかをちょっとだけでも考えてほしいのよね・・・。




・じゃあどうすればいいの?という話


これは、まあ簡単というかぶっちゃけすぎというか、無能ジャップ野郎にまかせておいても一向に解決しないので、Googleとかそこらへんのすごい人に荒らしまくってもらうしかない。というのも、網終端装置が混雑している件はプロバイダー側がお金を払って増設することが可能なので、こういった資金の豊富な会社様がNTTの方針なんか華麗に無視してやみくもに網終端装置を増設すればよいのだ。


ちなみに、GoogleGoogle Fiberというサービスをアメリカの各地で展開していて、これを日本でやればいいだけの話である。



で、NTTのフレッツには個人向けと法人向けの区別があまりないので、個人向けを展開しつつ、簡単に法人向けのサービスにカバーする範囲を広げていくことができるのである。


こういう会社お得意の、

  • ルーターを取り付けたら自動的にインターネットに接続される
  • ルーターの細かい設定をいじりたい場合は、ウェブ上のダッシュボードでポチポチ設定を変更すれば自動的に反映される
  • 企業向けのVPNもウェブ上でポチポチすれば簡単につながる
  • もちろん無線のアクセスポイントは余裕で自動メッシュに対応するので、家とかオフィスでも余裕でメッシュ構成を構築可能
  • おまけとして、携帯も格安で使えるようにしちゃう(まあ、これはどこかと提携か)


あたりの機能があれば、何も言うことはない。↑のようなサービスは日本のどのプロバイダーも実現できてないからだ(IPv6にはやたらこだわるくせにね笑笑)。


これだけのことができて、プロバイダー料金はルーターコミコミで1,980円/月くらいでも、十分に個人も企業も殺到すると思う。例えばアマゾンが2,980円/月くらいでやって、入会したらプライムがタダ、みたいのでもいい。とにかく、日本のインターネット接続は、どうしようもない幼稚な理由で本来の速度を出すことができていないので(そもそも最大速度が1Gなのに1M出るか出ないかってひどすぎないですかね・・・)、そこにつけいる余地はありまくりなのである。しかも、一回独占してしまえばあえて変える人は少ないので、今はウルトラスーパー大チャンス状態なのだ。


まとめるとこんな感じ・・・。
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とにかく、日本のIT業界もだが、その中のインターネット業界のガラパゴスぶりや、技術力のなさぶりは先進国でぶっちぎりの最下位レベルなので、こんなにおいしい草刈場はないと思う。ご参入を首を長くしまくってお待ちしているのである。


*まあ、自分さえよければという人はauひかりとかNURO光とか引けばいいと思いますが、とにかくIPoEを駆逐しないとこの国はいつまでたってもIT後進国のままです





そんなわけで、はっと現実に引き戻されると、今日の夜も明日の夜も、あなたの回線も私の回線も1Mしか出ないのである(ちなみに1Mというのは最低速度ということで実際は1Mすら出てなくてゼロに近い速度しか出ていないというのが正解である)。なんで、月5,000円も払って、携帯電話よりも通信速度が遅いのかと・・・。で、この状態は家が遅いというだけの罪ではなく、たとえば、あなたが出張や旅行した際に泊まるホテルとか自分の力で対処しようがないところでも発生したりして(これがあるのでIPoEが最終的な解には何があろうとなりえないのである)、本当に絶望しかないのである(旅先でインターネット遅いとほんとに腹立ちますよね)。


実は、オリンピックを口実にこの状況を一気にプラ転することもできたと思う。海外から来てくれたお客さんも、このピークタイムの日本のインターネットの遅さにびっくりして嘆き悲しむことになっただろうからである。国が「オリンピックのため」とか適当な理由をでっち上げて予算をつけてNTTの網終端装置をやみくもに増設すればそれで済んだ話だったのだ(まあ別に今からでもできるけどね)。だがしかし、某ナニが某参与にいるにも関わらず、そういう事は起こらなかったのである。繰り返すが、日本のインターネット界にいる名だたる技術者はどれも名前だけのドメスティックな使えない無能や老害ばかりなのである(2000年代にGoogleAWSに取り返しのつかない差をつけられたのは彼らがIPv6に夢中になって、それで仕事をしたつもりになってしまったというのもかなりの大きな割合を占めると思われます、無能というよりはもはやただの害悪レベル・・・)。


当たり前だが、嘆き悲しんでばかりいても、そんな終わっている通信速度が改善することはない。少しでも、みなさんがこの記事を読んで腹をたてつつ状況を理解して共有して頂けたら幸いである。


みなさんも、この終わっている状況を未来の日本に生まれてくる子供たちにそのまま押しつけて、なんとも思わないですか?そんな大人たちの絶望的な無能ぶりを見て、子供たちが大人を尊敬すると思いますか???


そんなことまで考えてしまうほど救いのない日本の有線インターネットの事情なのである。


*2021年11月15日追記:

最近出張していてよく思うのですが、ビジネスホテルは急速にNURO光USENアルテリア・ネットワークス)への移行が進んでいますね。おそらく、営業さんが頑張っているのでしょうが、使う側としては本当に助かります。NURO光の速さは一度体感するとやめられない速さですね・・・。IPoEはやはり独特のクセがあって(特にIPv4のセッション数に致命的な制限があります)ユーザー目線で嬉しいことは何もないんですよね。国もワークホームかなんかを理由に使ってNURO光補助金を出したりしてくれたら(例えば初期工事費は完全に国持ちにするとか)移行がもっと進んで最高なんですが。