前回の記事で4,000年の歴史をタテに、しがないオッサンにまで執拗に襲いかかってくる中華フォントに対して完全勝利したはずであったのだが、そこはそう簡単には勝たせてくれないのが勝負の世界である。
あれだけ完璧に駆逐したと思っていた中華フォントがまた復活して襲いかかってきたのだ。
事の顛末はこうだ。中華フォントと同じくアンドロイドを使う上で永遠のテーマのウェブブラウザについて、筆者はだいたいFirefoxとBraveの2つを使い分けてきたのである。特にここ最近はBraveをメインに使っていた。
だがしかし、Braveは自前の広告ブロック機能が全然完璧ではないのである。完璧どころかスカスカと言ってもいいくらいのお粗末さで、特に日本人向けの広告はほぼブロックできないと思ってもいいレベルなのだ。なので、筆者がよく読んでいる2NNやまとめサイトで炸裂する「どうしようもないエロさの漫画広告」*1みたいのは思い切り表示されてしまう。これには長年悩まされていたのだ。例えば海外の飛行機や電車の中で事情を知らない外国人の方にこの変態広告を覗き見られたらどう思われるだろうか。
で、だったらFirefoxを使えばいいじゃないか、という話になると思うのだが、こいつはみなさんご存知の通り、開発チームがやる気がないからなのか、みんなiPhoneしか使ってないからなのか、かなり出来が悪く、特に半端ないバッテリードレインをかますので*2、ちょっと使い物になるレベルではなかったのだった。筆者はかなり長い間、この2つのブラウザを併用してきたのだが、最近のFirefoxはスマホに入れて起ち上げるだけでもバッテリーがどんどん減っていくので、不満はありながらも仕方なしにBraveを使うというのが、ここ最近の妥協した暮らし方だったのだ。
ただ、Braveを使うのもあまり気持ちいいものではないので、Microsoft Edge(こいつにはAdblock Plusが標準でインストールされている)に浮気してみたりもしたのだが、これも別によくできたブラウザでもなく使い勝手はBraveより明らかに劣っていて、メインのブラウザとはなり得ない感じだ*3。なにより、あの変な安っぽい勾玉みたいなアイコンデザインはなんなのだろうか?かっこ悪すぎてジャップもびっくりである。
How do you like our new #Edge logo?? #comingsoon! pic.twitter.com/EgL6n5xqRI
— Vishnu Nath 📱📱💻📲⌨️🚀 (@VishnuNath) November 2, 2019
ちなみに、Braveはなんとなく使ってて感じるものがあるのだが、案の定、怪しい動きをしているようで、Gizmodeに思い切りバラされている。
本当に近頃の人間というのはこんなやつばっかりである。平穏な日々をとかく愛する古い日本人には理解のできない世の中が今なのである。
そんな感じでイライラしながらアンドロイド端末を使う日々を送っていたのだが、ある日ふと「最近のFirefoxは相当マシになっている」という情報を目にした。「そんなはずはねーだろwww」と真っ先に思ったのだが、というのも、Firefoxにはそもそも複数の開発ブランチがあり、Firefox NightlyやFirefox Focusなどよくわからないビルドが乱立していて、そのどれもが中途半端な出来で使い物にならないのを自分はよく知っていたのだ。
しかし、情報を元にFirefoxのBetaブランチを入れて使ってみたらびっくり。情報は本当で、しかもこのビルドに関しては、Add-onsのページを開くと、真っ先に「uBlock Originを入れなはれ~」とオススメしてくる有様である(笑)。これは素晴らしい。早速、uBlockを入れて、日本向けの広告ブロック機能(AdGuard Japanese)をonにしてみたら、今までの悩みはなんだったんだというくらい、あっさりエロ漫画のどうしようもない広告など、最高にどうでもいい広告群がフィルターされるようになった。
もちろんバッテリードレインも全然発生しない。
そんな状況に狂喜しているのもつかの間、襲いかかってきたのが冒頭に書いた中華フォントである。4,000年の歴史はだてに日本の倍の歴史ではない。せっかく、これまでの試行錯誤でシステム自体から中華フォントを完全に駆逐することに成功したのに、なぜか、このFirefoxのベータ版では、あらゆる漢字が中華フォントで表示されるのである。まあ許せないわけではないのだが、一難去ってまた一難の状況は週末のさわやかな気分のオッサンを軽々と絶望的な気分にさせてくれた。
で、ダメ元で設定をいじってみたら、超あっさり解決したのである。な、なんと、このFirefoxのビルドでは、自分が今までやってきたように、自分の意図でCJKのどの言語に漢字を優先してフォールバックさせるのかが、自分の手で設定できるのだった。
やり方は簡単で、URLのところに、
about:config
と打ち、
cjkでサーチすればよい。
font.cjk_pref_fallback_order
という設定項目が出てくるので、
これの中身を
zh-cn,zh-hk,zh-tw,ja,ko
から
ja,ko,zh-cn,zh-hk,zh-tw
と、変えれば完了だ。
正直、このワークアラウンドに気づくまでは「なんだこのクソブラウザボケオラ」とオラつきまくっていたのだが、自分で好きなように設定できるこの仕組みは大歓迎である。おかげで、遂に完全に中華フォントを駆逐してきれいな日本語フォントだけを表示し、さらに、クソみたいな広告もフィルターできる環境を手にいれることができた。いまいち、気に入っていなかったBraveにもやっとお別れすることもできた。
完璧にもほどがあるのである。スマホでもタブレットでもこれ以上ないくらい、快適にブラウジングできるようになった。特にクソ広告をフィルターできると、モバイル通信の場合は(1)そもそもの通信量が激減する、(2)余計な広告をミスタッチしてしまうために発生するどうでもいいトラブルやバックボタンを押したりする手間がなくなる*4、(3)不要なアニメーション広告が動くことがないのでバッテリーが長持ちする、等計り知れないメリットを享受することができるのだ。これは大きな進歩である。
Firefoxベータちゃん、本当にありがとうという感じだ。そして願わくば、Chromeの方にもこういった項目が増えて、きれいな日本語フォントで使用できるようになってくれれば*5ありがたいのだが・・・。