「君たちはどう生きるか」観てきたけど・・・

ということで、「君たちはどう生きるか」を観てきたのである。


だがしかし、最初から最後までワケワカメだったのである。ストーリーは夢に基づいているのか何の脈略もなく、適当に次から次へとイベントが発生しては次に行く感じ。そのイベントも基本薄いので時間が経つのがやたら遅く感じられる。もし夢ベースのストーリーなら、手法としては使い古されたどころじゃなく枯れきってる手法なので、今この時代にやることではないだろう。全体的にはおじいちゃんの暇つぶしにつきあわされた感が強かった。おそらく現代の世相に何か言いたかったのだろうが、その手のメッセージ性も、今の世の中では鬱陶しいだけである。個人的な感想を付け加えるとしたら、ジェンダーの扱いも古風に感じられて気になってしょうがなかった。


ちなみに筆者はアニメーションの素養は皆無で、ジブリ作品もナウシカラピュタを観たくらいである。ファンでもなんでもない。他のアニメもほぼ観たことがない。


そんなアニメ童貞が観ていて特に気になったのは、技術的な側面で、

  • そもそも非常にアニメーションがカクカクしている(これって普通なの?ディズニーとかすごいなめらかだと思うんだけど?)
  • 全体的に書き込みが甘い(例えば大量にカエルが出てくるところは、カエルの色や表情が全部同じでかなり気になりすぎた、もうちょっと頑張ろうよ)
  • 相変わらずジャップアニメの特徴で声優を軽視して、演技力のないクソ芸能人を起用しまくっている(芸能人をわざわざ使うというのがもう古いよね)
  • セリフもジャップ物に特徴的な例のアレで、基本劇画調なので自然さが足りなさすぎ、もうちょっと普段話すような言い回しやテンポにしてくれると耳に入ってくるのだが
  • テーマソングもなんかありきたりで新しさを全く感じなかった、別になくてもよかったのでは


あたりがいちいち気になってしょうがなく、これが日本が誇る世界最高峰のアニメーションスタジオの作品なの?と、ストーリーに入り込むのも一苦労だったのである。時代的な観点から見るとアニメーションとしてもストーリーとしても古さも感じてしまった。


スタジオジブリとしては10年ぶりの作品らしいが、10年何をやっていたのだろうか?と素朴に疑問に思ったのだった。明らかに時代に取り残されているように感じられた。


また、日本映画というか日本のヤバさも改めて感じられたのである。「シン・ウルトラマン」もひどかったが、同様にこの作品も十分にひどかったと思うのである。これがこの後、「日本最高の作品です!」として海外に流れていくとしたら、世界、特に多様かつレベルの高い芸術作品にあふれている欧米では「日本終わったな・・・」と心の中で思う人は少なくないはずである。


もうちょっと書きたかったのだが、筆者の筆力ではこれ以上はムリである。深掘りすることも、一般のジャップが得意なように「理解しようとなんとか頑張る」ことも、ちょっと厳しい。そもそもがそこまで深い作品でもなさそうなのである。


全盛期を過ぎたクリエーターとそれを受け止める知性も感受性も低い国民。正に落ち目の日本を象徴しているのだろうか?そういう切り口で見るのなら2023年の現代日本を切り取った事象として捉えることもできるのであろうが、そんなことクリエーターが意図していたわけではないだろうし、なんだかなーと思いつつ劇場を後にしたのである。