ということで、やっと重い腰をあげて、LOSベースのCrDroidに移行したのである。LOSベース1発目のv10.4は初物ということで、回避してv10.5が出たタイミングで乗り換えたのである。まあ、それまで使っていたv10.3も最高だったのだが、Androidとして5月にGoogleから発表された脆弱性は最高深刻度の「High」だったので、どうせいつかはLOSベースに移行しないといけないし、やるなら今かと思ったのである。
ということで、以前書いたインストール記事はわかりづらいと非常に不評だったので、作業の流れを重視して全体を書き直してみたのが以下である。
・まずはバックアップね・・・
一番最初にどうしてもやらなくてはならないことは、SDカードがないのでデータをバックアップすることなのであるが、ずぼらな自分は今までロクにバックアップをとってなくて、データやブックマークを事あるごとに全て失ったりしていたのである。
なので、さすがに今回はそろそろちゃんとやらなくては思ったのである。
几帳面な方はちゃんとしたバックアップソフトを使ってアプリとかアプリの設定まできっちりとバックアップするらしいのだが、自分の場合はクリーンインストールすることが目的なので、完璧なバックアップを取る必要はなく、また、Androidの有名バックアップソフトは一通り試してみたのだが、どれもインターフェースに難があったりとクセが強めで(わかりづらいだけならまだしも自分の場合はそそっかしいので、コピー元とコピー先を逆にしてデータ全損みたいな事態も発生しそうで怖くて使えないという事情もあったりして)、自分に合うのを見つけることができなかった。自分がやりたいのは単純なデータのバックアップとレストアだけなのである。
で、今までAndroid上で完結するバックアップにこだわっていたのは、アンドロイドのファイル転送モードであるmtpが「遅い」&「コピーの途中で止まる」と非常に出来が悪いことにあって、ちょっとした音楽とか動画のファイルをバックアップしようにしても、永遠レベルで時間がかかるし、時間がかかるからと適当にほったらかしておいたらタイムアウトして止まっているわで、とにかく使うのが苦痛だったのである。
そんな感じで結局、今までいい解を見つけることができずまともなバックアップをとったことがなかったのだが、今回は観念してWindows用(というかマルチプラットフォームだけど)の超定番ソフト「FreeFileSync」を使うことにした。これは特に裏ワザを使わなくても標準でmtpに対応しているのである(意外とこの手のソフトはmtpに対応してなくて、対象ディレクトリにc:とかd:みたいなドライブレターがついているのが必須だったりします)。
ポータブル版が有料なのは不満だが、いちおうオープンソースだし、とにかく超定番なので、これを使ったのである。
これで、全バックアップからの全戻しを行った。自分の場合は同期モードではなく、ミラーモードを使ったので本当にA→B、B→Aのコピーを行っただけである。もちろんお互いの差分を同期させることもできるので、そこらへんはお好みで変更すればいいと思う。
ちなみに、v10.3→Windows10の時はお約束という感じで何回かコピーが止まったが、Windows10→v10.5(カーネルはmelt)の時は、一度も止まることなく大量のデータをコピーすることができた。もし、止まったとしてもFreeFileSyncの場合は、コピー元、コピー先の差分リストを作って同期が行われるので、途中からコピーを再開することができる。
ということで長年の懸案だったバックアップ問題にやっとケリをつけることができたのである。一回、FreeFileSyncでバックアップを取ってしまえば、以後はその差分のやりとりだけになるので、今後大量のデータのコピーというのは基本発生しないはずである(もちろん、カスタムROMをクリーンインストールした時は発生しますが)。
SDカードがないだけでなんでこんなに苦労しないといけないのか・・・と嘆きたくはなるが、これも時代の流れとあきらめるしかない。とにかく一つのヤマを超えたので次に進むのである。
・Miflashでとりあえず中国版に
さて、バックアップが終わったら、今度はMiflashで中国版に戻す必要が自分の場合はあったのである。というのも、自分が買ったRedmi Note 12 Turboは詳細は不明だが、元々購入したショップがBLUしてくれて、それに自称グローバルROMみたいのが焼かれていたのである。
自分の環境では、それにCrDroidを焼いただけでは、ドコモのSIMでデータ通信ができなかったのである。この現象には本当に悩まされて、何度もiPhone15 Pro Maxへの買い替えを検討したくらいである(あれはあれでいいですよね・・・)。
鈍感な自分はどうすればいいのかもわからずかなり長い間途方にくれていたのであるが、先月になってやっと中国版のRedmi Note 12 Turboとそのグローバル版であるPOCO F5は意外とハードウェアの違いが大きいことを知ったのである。まさか液晶まで違うとは・・・(Redmi Note 12 TurboがOLED、POCO F5はAMOLED)。
ということで、ふとMiflashで素の中国版MIUIに戻したら、普通にさくっとドコモのSIMでデータ通信ができるようになったのである。
自分はmodem.imgだけを中国版に戻すのは試していたのだが、そうじゃなくておそらく「NON-HLOS.bin」もちゃんと焼かないといけなかったのだろう。今回自分は念のため、NON-HLOS.binだけではなく、Miflashで中国版の最新安定版(OS1.0.2.0)に戻してみた。この後、CrDroidを焼けばドコモのSIMでもデータ通信ができるようになった。
ちなみに、Miflashは油断するとブートローダーを再ロックしてしまうので、くれぐれも注意して頂きたい。ネットで優秀な方たちが使い方を懇切丁寧に紹介してくれているので、ぜひそちらを参照してほしいのである。
*また、OS1.0.3.0というベータ版が出ていますが、こちらは自分の環境では、今度はドコモSIMで「データ通信ができて電話が使えない」という状態になってしまいました。回避方法はありそうですが、こちらにもご注意下さい
中国版ROMに書き戻したら、いよいよCrDroidの焼き込みである。
・LOSベースのCrDroid v10.5を焼く
それにしてもしつこいが、SDカードが使えないだけでここまでたどり着くにもこんなに時間がかかっているのである。
CrDroidを焼く手順は公式でちゃんと紹介してくれているが、
- twrp焼く
- twrpでフォーマットかける(これやる必要ないけど自分の場合はやるという感じ)
- twrpでCrDroid焼く
- twrpでtwrpに再起動かける(普通にシステム起動させない)
- その状態でNikGapps焼く
- NikGapps焼いたらtwrpでフォーマットかける
- これで普通に再起動させる
という感じである。
・Magisk&中華フォント駆逐
後は本当に個人の好みでカスタマイズという感じである。
自分的には必須な、中華フォント駆逐、かつ、システムフォントのモリサワ化だが、
基本的には、以前書いた、
こちらを踏襲すればよい。
なのだが、今回のmarble用CrDroid v10.5の場合、
- そもそも中華フォントにならない(「直行直帰」とか打っても中華フォントじゃなくちゃんと日本語にフォールバックする)
- fonts.xmlだけじゃなく、font_fallback.xmlというのが新たに/etcに追加されている
と、今までと様子が違うのである。
で、fonts.xmlの中身を見てみると、ファイルの一番上に「このフォントの指定の仕方はもうやめるから、今後スマホ開発者の人はfont_fallback.xmlに自分のカスタム設定を追加してねー&ソフト開発者の人はandroid.graphics.fonts.SystemFonts#getAvailableFonts Java API、もしくは、 ASystemFontIterator_open NDK APIを使ってねー」
と書いてあるのである。
なので、ふむふむとfont_fallback.xmlをいじってみたのだが、変化は全くなし。結局はいつもの通り、fonts.xmlをいじってモリサワ化に成功したのである。
そのうちここらへんのやり方も変わってくるように思うので、今は大丈夫だけど今後注意が必要という感じか。
ちなみに、Magiskは相変わらずzip形式でtwrpから焼いた。またバージョンはどうせということで最新のv27.0を使ってみた。
・melt焼く
これも特に理由はないのだが、自分は上記のモリサワ化をやってからいつもmeltカーネルを焼いている。
今回は、v2.7.2を焼いてみた。
「LOSベースのカスタムROMにmeltを焼いたらブートループした」みたいな書き込みもネットに散見されるので、使用する場合は十分に注意されたい(まあmeltはオリジナルカーネルのバックアップをとってくれるけど)。
CrDroidの場合はメンテナさんが「KSU使いたかったらmelt入れてねー」と言っているくらいなので、大丈夫だとは思うのだが・・・。
・アプリ入れる
アプリも相変わらずvanilla musicを使ってたりと、
やってることは長年変わってないが、自分の場合はこれでいいのである。
他だと必須アプリはFairEmailとかか。ブラウザも変わらずCromiteを使い続けている。
カメラは、このバージョンではLeica Cameraがインストールされてないような???と思ったのだが、どうやらHyperOS Camera(昔のMIUI Cameraね)というのがインストールされているらしい。
自分はLeica Cameraの画質が非常に好きだったので、ちょっと悲しいがまあなんでもいいので、そのまま使っている。
という感じで、やっとLOSベースの最新ROMに移行できたのである。
今のところ動きは悪くないし、バッテリーの減り方も以前と変わらない(そんなに持ちはよくない)感じである。これでしばらくはCPUはSnapdragon 7+ Gen2のメモリ16GBの快適な環境を安心して使えるので、大満足なのである。
*2024年05月28日追記:
どうやら、meltカーネルは開発中止になったようですね。ネット民の罵倒に耐えられなくなったとのこと。
素晴らしい出来のカーネルで日々使わせて頂いていたのですが・・・。残念です。
最終バージョンは2.7.2かと思います。
*2024年06月04日追記:
v10.5の2つ目のビルド(crDroidAndroid-14.0-20240602-marble-v10.5.zip)が出たのでさっそく入れてみました。正直、変更点もあまりないのでとりあえず入れてみたという感じです。
なのですが、Galleryアプリが消えてしまっています。これは次のビルドで復活するとのこと。
Galleryアプリはそんなに出来がよくなく、Google Photoを使えばいいだけという気もするのですが、何かいいアプリないんですかね・・・。
カーネルはいつものmeltの2.7.2に換装しています。v10.5になってからか、cromiteの最新バージョンの出来がいいのか、あまりバッテリーが減らなくなりました。とてもいい感じです。
*2024年06月05日追記:
「なんかいいGalleryアプリないかなあ・・・」つぶやいてみたら、読者さんから「Fossify Gallery」というのを紹介してもらいました(本当にありがとうございます)。
これは、Simple Galleryが有料化したり、無料版が広告付きになった→なのでfolkして、オープンソースかつ無料のFossify Galleryがリリースされた
ということらしいです。
- とにかく機能がシンプル
- Googleとの紐づけ不要
- includeするフォルダを指定できる(whatsappとかの余計なファイルがサムネイルに出てこない)
と自分が欲しかった全ての機能があります。自分が長年探し求めていたのはこれです。
Fossifyのシリーズは電話アプリとか音楽アプリとかがあって最高ですね。他のも試してみようと思います。