よく考えたら、Firefoxを使い始めて、しかも前身のNetscapeなんかを含めてしまうと(自分はMosaicはほとんど使ってない)、そろそろ27年くらい経つのである。あとちょっとしたら30年というのはちょっと目眩のする年月である。iPhoneが出てからまだ15年経ってないことを考えると、なおさらその年月の長さには感慨深いものがあったりする。
自分の中でのFirefoxの立ち位置というのは、Netscape時代はインターネットという新しい自由な世界への扉かつ象徴のようなアプリケーションで(Eudoraとかなつかしいですねー)、その後のFirefox時代は長らく、セキュアでもなければ使いやすくもない、というMicrosoftのInternet Explorer(ActiveXというのはなんだったんでしょうか、インターネットの歴史上、最も脆弱かつ致命的に危険な仕組みでした)の代替手段として、Chromeが台頭してFirefoxがWebExtensionに移行してから(全ての機能拡張を捨てるというのはなかなかすごい決断でした、Tab Mix Plusがなくなったのが痛かったですよね・・・)は、Googleに毒されたくないという人たちのセカンドブラウザーとして、時代によってその役目は移り変わってきたが、インターネットが楽しくて輝かしいものだった時代の郷愁を含めて、なくてはならないアプリケーションの一つとして使い続けてきたのである。
ただ、SNSが流行りだしたころあたりからだと思うが、ネット上では、Firefoxに対する風当たりが強く、ほぼ罵倒しか目にしないのである。また、その罵倒が大きく影響しているからなのか、Chromeがすごすぎるのか、利用しているユーザーも激減しているように感じるのである。
しかし、罵倒のほとんどは、「重い」とか「遅い」とかで、他には「バージョンアップしたら機能拡張が動かなくなった」とかそういうのもあるが、この罵倒のほとんどは、単なるイキった情弱の勘違いだったりして、超余裕で改善可能である。
以下は、自分が新しくパソコンをセットアップしたら必ず入れるアプリの一つとして、Firefoxをインストールした後に即効でかます設定である。
1. インストールするのはESRというバージョン
まず、インストールするのはESR(Extended Support Release)という「最新版ではなく企業用に用意している安定版の最新版」である。これで、「バージョンアップしたら機能拡張が動かなくなった」とかそういう新機能でなんか変になるというトラブルとは無縁になる。これを知らない人が意外に多かったりする。
また、ダウンロードは本家のFTPサイトにHTTP(今はHTTPS)で接続するのが一番いいと思う。
これ↑
ここから、頑張って最新版のESRをダウンロードしてインストールしよう。
2. IPv6のオフ
後は、「重い」「遅い」という部分の対応である。
まず、IPv6を切ろう。OSで切っていたとしてもFirefoxでも切っておいた方がいい。デフォルトの動作は、「まずIPv6で名前解決→できなかったらIPv4で通信」なので、こんなバカげた動きに付き合う必要は一切ない。
url入力欄に、
about:config
と打って、いつもの詳細設定画面に入る。
で、詳細設定画面の検索ウインドウに「ipv」くらいを打ったら、ipv6を使うか使わないかの設定が出てくる。
network.dns.disableIPv6
この設定である。
速やかにdisableからtrueに変更しよう。
3. ディスクキャッシュをやめる
次は「ディスクキャッシュをやめて、キャッシュは全てメモリ上に保存するように変更する」である。これは、メモリの少ないPCでは危険な設定かもしれないが、自分は今までこの設定による何かの不具合に出くわしたことがない。SSDはこういうキャッシュみたいな使われ方が得意ではあるのだが、メモリにキャッシュしてアプリケーションが終了した時に全開放してもらった方が個人的には動きとしてまともだと思う。
ということで、設定するのだが、詳細設定画面に入る前に、現状どうなっているかを確認しておいた方がいい。
これには、
about:cache
と打てばよく、出てきた画面のdiskという段落の「Storage disk location:」という部分がC:ドライブとかそこらへんになっているはずである。これをいじっていこう。
ということで、
about:config
と打って、
browser.cache.disk.enable
と検索窓に入れて、これをfalseにすればよい。
また、ついでに、
browser.cache.memory.enable
が、trueになっていることも確認しておこう。最近のFirefoxでは元々trueになっている。
さらに、以前は、
browser.cache.memory.capacity
という設定を自ら新しく作って、その設定値を「-1」にする必要があったのだが(-1にすることで可変のキャッシュを作ることが可能になる)、最近のFirefoxではこの項目がデフォルトで有効になっているので、項目を検索して値が「-1」になっていることを確認したらokである。
ここまでやったら適当に一度Firefoxを起ち上げ直しておこう。これで全てのキャッシュがメモリに書き込まれるようになるので、見違えるように高速になって動くはずである。
再起動したら、もう一度、
about:cache
と打って、さきほど確認した項目がどう変わったか、念の為確認しておこう。
こんな感じで、diskの項目が書き換わっていたらok!
4. 機能拡張
後は機能拡張である。
uBlock Originを入れるのは当たり前として、
この、NoScriptというアプリを使うためだけに、未だにFirefoxを使っている方も多いと思う。自分も長年の愛用者である。
基本、Java Scriptを全止めしてくれて、許可できるやつだけを自分で選択できるようになる。使いこなせば、かなりセキュアにネットサーフィンができるようになるし、普通に普段使っているウェブサイトの裏でどれだけ余計なJava Scriptが動いているかもびっくりすると思う。
後は、見た目も大事ということで、このDark Fox
を長年使っている。かっこよさや、他のブラウザとの区別もぱっと見ですぐにできるので、これも自分としては必須のアドオンである。
後は、FirefoxがWebExtensionに移行する前の伝説的なタブ管理ソフト「Tab Mix Plus」も復活しているらしいので、そのうち試してみたいと思う。
という感じで、Firefoxだって悪くないどころか、最高なのである。
この記事を読んで、実際にFirefoxを使って、ネット上での評価が全然正しくないということに気づいてくれる方が一人でも増えることがあれば、こんなに嬉しいことはないのである。