NHKが今本当にやらなくてはいけないこと

NHKがその反日な報道姿勢から顰蹙を買うようになってから、それなりの時間が経っている。また、未だ改善する提案などがNHKから発信されることもなく、「もしかしてこの放送局いらなくね?」と反NHK勢が騒いだのもあるだろうが、一般人もそう思う人が増えてきているような雰囲気がある今日この頃である。もちろん、かのN国党の活動も地道に成果をあげているだろうし(最近、勢いがなくなったように見えてちょっと寂しく思ってます)、反中反韓のいわゆるガハハメディアが事あるごとにNHKを叩いているというのもその雰囲気作りに大いに影響していると思われる。


確かに、国営放送が国民から受信料を巻き上げて、バラエティ番組などを制作しているのは、どう考えてもおかしいのだ。どうしてかというと、それが日本の芸能界というムラ社会の養分になってしまうからである。もっとわかりやすくいうと、限られた大手芸能事務所が仕切っているという、カルテルのような状態の業界から出演するタレントをひっぱってくるのは、間接的に国民のお金を特定の団体に利益供与している形になるので、違法ではないが、これはおかしいと言えばおかしいのである。例えば、「売れっ子タレントを使わなければもっと安く番組を作れるだろ!」と視聴者から言われれば、NHKはそれに回答することができるだけの答えを本来は持っていなければならないのだ(答えなんかあるわけないけど、アメリカなら速攻で集団訴訟ですよね・・・)。


実際はそれどころか芸能事務所とズブズブの関係なので(紅白があるんでーという言い訳があるんでしょうが)、上述した本来そうであるべきであるという洗練潔白な姿どころか、グレーな利益供与状態を続けているのが今のNHKである。だからこそ、視聴者はNHKという放送局の価値を低いとみなし、(1)不要なチャンネルの削減や、もしくは、(2)受信料の引き下げ、を主張するようになってきているのである。これは至極当然のことだと思う。


だがしかし、筆者はそういう「NHK解体」的なソリューションの他に、もっといいやり方があると長年考えてきた一人である。なんといっても、7,122億円(!)(2019年度)という受信料収入はとてつもなさすぎる。ちなみに、BBCの受信料収入は2018年度で5,294億円らしく(実際はイギリスの場合はTVライセンスという地上波全部の放送局に対して、国民がお金を支払う仕組みになっていますので、放送局の数で割った金額が5,294億円ということになります)、NHKはそれより2,000億円も多く収入を得ていることになる(世界的放送局のBBCに対して、ほとんど完全ドメスティックのNHKがこれってすごいですよね)。


だから、せっかくせしめているこのお金を縮小させて叩き潰すよりは、うまく有効に使いまくった方が筆者はずっとマシだと考えるのである。感情的に叩き潰したって経済がいたずらに縮小するだけである。それよりも、まともな会社として更生させて、それによってできることやれることを増やして、国民に還元した方がいいと思うのである。


今回は3つくらいこうした方がいいのでは?ということを提案してみたいと思う。




・電波での放送を大至急全てやめろ


電波での放送は全てもはや無意味どころか受信料の垂れ流しでしかない。誰がどう考えたって、インターネットのブロードバンド配信で代替できる。だから、明日にでもいいので電波を止めた方がいい。空けたチャンネルは携帯電話に使えばいいのだ。だから、今すぐ全ての放送設備をぶん投げて、インターネットでの配信に切り替えた方がいい。コスパなんて考えるのも時間のムダというくらいに、安上がりになるのは自明である。


*こういう時、必ず「じゃあ、「インターネットのない家庭はー」とか「移行するコストがー」とかわめくクソが日本には大量に湧いてくるのだが、そういうクソは、そもそもアナログ放送からデジタル放送に変わった時に全てを一回リセットしているのを忘れているレベルの低い知能の持ち主だということを自ら世界に発信してるだけだということに気づいた方がいい


そもそも、全てをブロードバンド配信にしたら、NHKが攻撃される理由の一つとなっている「ムダなチャンネルが多すぎる」という議論をとりあえず秒で意味のないものにできる。ブロードバンド配信した場合は、チャンネルというのはただの名前程度の意味しか持たなくなる。


誰もがこんなことわかっているのだが、できないのは、変えることによって利益を失ってしまう人たちが多いというのと、そういう人たちが社会的ポジションで上の位置にいるからである。これについては受信料を真面目に払っている視聴者がしっかりと圧力をかけ続けていくしかない。




・もうバラエティとかは必要ない、基本ニュース一本で行けばいい


これも時代の変化によるものだが、もう地上波のバラエティなんてジャニーズファン(というか嵐ファン?)以外は見ていない。役目を終えたと思った方がいい。みんな、中身はともかく、YouTube上にアップされる一般人が激辛カップ焼きそばを食べる動画に夢中である。


NHKに視聴者が求めているのは、

  1. なんの変哲もない極普通のニュース番組(民放にありがちな後半に差し込まれる動物のほんわかニュースとかいらない、普通のガチガチなハードコアなただのニュース)
  2. 質の高いドキュメンタリー番組
  3. 豊富な資金力に物を言わせた、海外スポーツ番組

あたりではないだろうか。


1については、言うまでもないがこれが今後のNHKの根幹になるべき番組である。今すぐ、今の地上波のチャンネルのどちらかを24時間放送のニュースチャンネルに変えるべきである。クソみたいなバラエティはもちろん、料理番組なんかも誰も求めていないのを自覚した方がいい。どちらか片方のチャンネルはニュース専用チャンネルにして、もう片方で(もはや時代的に必要はないが)朝の連ドラとか大河ドラマとかをやればいい(ここらへんは急になくしてしまう必要がないので、徐々にフェードアウトでいいと思う、まあもっと言ってしまえば、視聴者の方が高齢になるので自然にフェードアウトしていくわけである)。もちろん、前述のとおり電波での放送はやめる前提なので、視聴者は

  • ブロードバンド配信で24時間ニュースを流しっぱなしにする
  • もしくは、オンデマンド的に見たい放送を見たい時間に見る


の2通りの視聴方法を選択できるようになる。


で、当たり前なのだがこれを書かないと日本の企業は当たり前のように暴走するのであえて書くのだが、配信プラットフォームはYouTubeとニコニコで全く問題ないということを強く主張しておきたい。ジャップの無能企業とそのとりまき業者群はすぐここを利権化してゴミみたいな配信プラットフォームを自作してしまうが、どうせ「お前クスリでもやってんのか?」的なイカれきったUIと数分使っただけで使用者に復活不可能な絶望感を与える操作性のものづくり日本バンザイ見たいな哀れな成果物ができるだけである。誰がどう考えたって、YouTubeにお金を払ってそのプラットフォームを使わせてもらった方が出来がよくて安上がりに決まっている。ニコニコもついでに書いたのは同じジャップの同胞としての思いやりがあるからだけの話で、他に理由はない。


2のドキュメンタリー番組については、こればかりは国内の事情については、外国の放送局に頼るわけにも、ユーチューバーに頼るわけにもいかないだろうから、NHKが頑張るしかないのである。ザ・ノンフィクションも正直昔と比べるとかなり質が落ちているし、内容も偏ってきている(それにしてもテレビマンというのはなんであんなにキャバクラとホストをネタにするのが好きなんですかね?病気に近いものがあると思うけど)。だから、良質なドキュメンタリーを制作して視聴者に届けるのはNHKの義務なのである。これについては、代わりを見つけるのが難しいので引き続き頑張ってもらうしかない。


そして、3の海外スポーツ番組については、現状の路線をさらに拡大して国民から巻き上げた金をジャンジャン投入して最高のスポーツ番組を専用チャンネルで流しっぱなしにするべきである。その時に、日本人選手が出場しているかどうかという今のゴミみたいな基準はやめるべきである。そんなことは最高にどうでもいいので、最低限、以下については必ず放送してほしい。


だいたいここらへんを中心にしておけば、時間はそれなりに埋まるはずである。正直、他はどうでもいいというか、バスケもNFLもマニアは金払ってでも絶対に見るであろうから、個人的には不要だと思う(放映権と見たい人の数のバランスが悪すぎると思う)。あと、相撲とかもマジいらないのでそろそろ勘弁してほしい(相撲だけは地上波に残しておいてもいいような気がするくらい、興味のある人とない人が別れてると思われます)。




・東京に現代美術館を作れ


さて、ここからが本題である。うなるほどの受信料は使うだけでなく、うまく運用するべきである。ユダヤ人の投資の鉄則は財産を、金などの現物、不動産、そして美術品にうまく分散してリスクを回避することである。だから、美術品にお金をかけるのは視聴料の無駄遣いではなくリスクヘッジとしての一つの方法なのである。


そして、さらに東京はGDP的には世界一の大都市であるのに、まともな現代美術館がないというのも2つ目の大きな理由である。東京に来た外国人観光客が「え、東京ってちゃんとした現代美術館ないの?」と驚くのはもはやお決まりのエピソードである。あまり知られていない話なのだが、東京にはまともな現代美術館が存在しないのだ(まあ、油絵とかを展示する美術館もロクなのないけど)。これは、いちおう先進国と謳っているのであれば極めて恥ずかしい話である。


東京という国のデカさについてはこちら↓の記事を参照のこと


「○○とX Xに現代美術館なんてあるじゃん!」と反射的に口にしてしまうのは後で恥ずかしい思いをするから言わない方が身のためだ。現代美術館というのはジブリ展とかをするところではないのである。意味がわからなければ、人生で一度くらいはMOMAとかロンドンのテートモダンに足を運ぶことをおすすめする。ああいう、ハードコアなモダンアートの美術館というのが東京はおろか日本には存在しないのである(特に所蔵しているコレクションが圧倒的に海外と比べて劣っているっす)。


だから、豊富な資金量を使ってNHKがモダンアートの美術館を運営すればいい。知識がなかったり、ユダヤ人とのネットワークの構築に苦労するのであれば、MOMAやテートモダンの東京ブランチを開いてもらうだけでもいいと思う(個人的にはこっちの方がいいと思うが、さすがにプライドないのかお前という話になりますわな・・・)。そのエキシビジョンの巡回分と、日本のアーティストの常設展示があれば十分見世物としては価値のあるものになる。特に日本には「具体」というモダンアートの歴史的にも非常に価値のあるムーブメントを作った集団の作品があって、それが現在は分散して所蔵されているので、その常設展示を行うだけでもかなりの価値がある美術館になるであろう(マジでこれだけでメシ食えるくらいの価値あります)。


また、写真の国だけあって、優れた写真家もかなりいるので、写真だけでワンフロアを埋めることができるであろう。あとは、可能であればもうワンフロアは奈良さんの作品だけを展示すれば、非常にバランスのいい美術館になると思う。


まともな美術館、そして、オペラハウスは東京が世界の都市として持っておかなくてはならない、義務のあるものだと思う。そして、それには国の税金を使うよりは、NHKのお金を8割、国の補助を2割くらいのバランスで運営するのがいいと思うのである(国とか都にまかせて倒れそうなくらい失敗しているのが現状ね・・・)。




・ばかでかい映画館(IMAX名画座)を運営しろ


そして、これが最後の提案である。NHKには超大規模な映画館を運営しろと言いたい。


内訳は、

  1. シアター1が(少なくともアジア最大の)IMAXシアター
  2. シアター2から4がスクリーンが死ぬほどでかい名画座
  3. シアター4は日本の映画を英語字幕付きで流す専門のスクリーン

という感じで運営すればいい。


IMAXシアターは特に説明する必要もないが、NHKは研究所を所有し、最先端の技術を追求してたりするので、そこらへんを言い訳にして、どでかいIMAXシアターを運営すればいい。NHKなりに画質や音にこだわったりしてもいいと思う。


で、それはおまけのようなもので、重要なのは他の名画座的なスクリーンである。今、日本ではまともにクラシック的な名画をかけてくれる映画館がほとんどない(昔はいっぱいあったもんです・・・)。あったとしても、ミニシアターと呼ばれるようなとても小さい映画館ばかりで、ほとんどが経営に苦労している瀕死の状態である(もちろん努力は認めるし嫌いじゃないんだけど、どこもちょっとセコい感じがするのよね・・・)。


そうではなく、自分のような映画ファンが求めているのは、日本映画だけでなく、映画の全盛期のクラシックシネマをどでかいスクリーンで上映してくれる映画館である。これも、ニューヨークやロンドンのような都市には存在していて(フランスの場合、わざわざ政府がロンドンにまで出向いて映画館を運営している(!)、さすが・・・)、日本には存在しないのである。今は昔の映画が4Kや8Kでリストアされまくっているので、それをどでかいスクリーンで大音量で見たいのは自分だけではない、というか、世界一大きい都市である東京だとしたら1つのスクリーンを埋めることができるくらいの人数は余裕でいるだろう(まあ、ヒマでしょうがない老人がいっぱいいますし)。


こういう映画館の特色は、特集上映を頻繁にやることで、例えば、4月は小津特集、5月はLGBTQシネマ特集、6月はゴダール特集、7月は黒澤特集、みたいな感じでうまく企画を作って集客をしているのである(だから、特集によって客層が全然違ったりします)。こういったことをNHKが東京でやれば、かなりの可能性があると思う。


もう一つ、こういった巨大な名画座では、頻繁に上映作品の監督や主役の役者を読んで、上映前や上映後にトークショーを開催していたりするのである。これも、ある程度資金力や社会における権威がなければできないことであろう。さらに付け加えれば、こういったトークショーなんかも、さくっと自分のYouTubeチャンネルで放送すればいいのである。集客効果は抜群であろう。


また、上述したようにスクリーン4では日本の映画を英語字幕付きで上映するのはNHKがわざわざお金をかけてまで映画館を運営するという時の強い言い訳になるはずである。昨今、急激に増えてきている外国人定住者や観光客向けにこういう映画館はせめて一つは必要ではないだろうか。今はそんなに見えてないが、潜在的な需要は高いはずである。また、自分は全く興味がないが、どうしてもというリクエストが多いのであれば、1つのスクリーンはアニメ専用にしてもいいと思う(その場合、客層を考えてこのスクリーンだけは独立して秋葉原とかに作るのどうですかね・・・)。


そして、東京の成功をもって、NHKはさらに最低でも大阪、できれば札幌、福岡あたりにも規模を若干小さくした同様の映画館を作るべきである。地方の施設はどうしても赤字運営になってしまうであろうが、東京と大阪分がそれをカバーしてくれるだけの利益を産んでくれると思う。また、運営する正当性をさらに高めるため、受信料を払っている人は無料もしくは、50%オフのような特典をつければよい(まあ、文句を言う人を減らすという意味でね)。





そんな感じでNHKがやらなくてはならないことは、ただやみくもに規模を縮小させられたり、解体させられたり、受信料を極端に減らされたり(500円が妥当というのは自分はちょっと違うと思っています、どこかで主張に私怨や感情が混ざっているのではと)、というのではなく、(1)チャンネルの整理、と、(2)豊富な受信料収入を有効活用して視聴者に正しく還元する、ということではないだろうか、というのが筆者の意見である。


テレビが時代を移すものではなくなった(下記の項を参照のこと)、というのは筆者も大いに同意であるが、じゃあどうすればいいの?というところで、識者や世論が誘導しようとしている流れはちょっと違うのではないか、と思ったのが本項を記した理由である。



突然大きな話をしてしまうが、人間と猿を分ける唯一の違いは、人間は芸術や娯楽といった実際にはムダとも言ってもいい文化というものを作り出すことができ、それを楽しめる余裕があることである。そういう観点から考えると、今の日本に欠けているものを、NHKをうまく活用することで埋めることが十分に可能であるというのが筆者の主張である。


日本という国が、そしてその経済が大きく衰退し縮小していく中で、それに対するソリューションとしてNHKも軽いノリでやみくもに縮小させるよう仕向けていくのは愚策でしかないとしか思えないのだが、賢明なみなさんはどうお考えだろうか。